抗加齢医学は121兆円を生む?!

抗加齢(アンチエイジング)医学というと、とかく美容などの外見だけを整えたり、年齢重ねることに逆らって不自然な手段をとるなどという、ある意味ネガティブなイメージで捉える方が現在もいるようです。ところが、抗加齢医学を社会科学的、あるいは医療経済的観点から考えると、私たちに莫大な経済的恩恵をもたらす可能性があることに気づきます。

A4M

 

2009年にアメリカ抗加齢医学会(A4M)が連邦政府に対して勧告した「Twelve-Point Actionable Healthcare Plan」はそれを具体的な数値で示したものとして興味深いものです。

提言はその冒頭でこう述べています。

 

「合衆国をはじめとして、いま世界はかつて経験したことのない高齢化に直面している。わが国での6大疾病(慢性肺疾患、虚血性心疾患、脳卒中、肺がん、肺炎、そして消化管疾患)による65歳以上での医療費コストおよび生産性の喪失は、2007年だけで1960億ドルに上っている。これから掲げる施策を実施することは社会学的にも経済学的にも、そして高齢社会の中で個人に発生する派生効果の面でも緊急に必要なものである。そして個々の施策は ”今現在この状況で”必要なものであり、合衆国の進歩的な健康政策を変容させ世界的な高齢化に挑戦するものである」

 

12の項目を列挙します。

 

  1. 臨床現場ですぐに実施できる検査
  2. 老化と健康に関するバイオマーカー
  3. 2年に一度の無料の包括的代謝検査
  4. 遠隔医療による相談システム
  5. 老化を制御する薬剤
  6. 幹細胞、ナノテクノロジー、遺伝子工学
  7. 個別的な遺伝子検査とニュートリゲノミクス
  8. ジム、スパ、デトックス、身体的リハビリ施設の無料化または助成
  9. 老化制御に関するオンライン電子データベース
  10. 無料のオンライン医学教育
  11. 抗加齢医学の世界センターの設置
  12. 有閑階級の存在

A4M12-1

 

これらの施策を実行に移すことで、なんと3兆6400億ドルという途方もない金額が節約でき、また個人ではのべ29年以上の寿命の延長が見込めるとしています。そのメカニズムは

  • 労働者の生産性の維持
  • 身体障害と入院のコスト削減
  • 慢性の長期にわたる医療に関わるコストの削減

ということであり、いわゆる「現役世代」が少しでも長くそれを継続できるか否かに「抗加齢医学」が貢献できるということです。

 

この提言が日本でもしも実行に移されれば、合衆国の人口は日本の約2.5倍、一人当たりの社会保障費ベースで比較すると日本の約1.2倍なので便宜的な計算ですが、

 

3.64兆ドル÷(2.5×1.2)=1.21兆ドル

1ドル=100円としても121兆円

 

これだけの健康管理に関わる予算が節約できる可能性があるということです。

地球規模で進む高齢化。その経済的な危機を回避するために抗加齢医学ができることは非常に大きいといえるでしょう。

ご興味のある方は是非レポートをご参照下さい。

 

Twelve-Point Actionable Healthcare Plan:A Blueprint for A Low Cost, High Yield Wellness Model of Healthcare

 

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